大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)13 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士島田新平の上告理由第一点ないし第三点ついて。

しかし、本件調停の趣旨が、原告(控訴人、上告人)主張のとおり昭和二九年六

月二〇日の期限の到来およびその時貸主において自ら本件店舗の部分を使用するこ

とを条件として本件店舗の賃貸借が終了し原告はこれを貸主に明渡すべき義務を負

うに至るとの趣旨である旨の原判示(原判決およびその引用する第一審判決)の事

実認定は、原判示調停条項並びに挙示の証拠に照しこれを肯認できないことはない。

そして、その認定によれば、右の自ら使用するとは、単に自ら使用する意思だけで

は足りず、現実に自ら使用することを必要とし、そのためには借主は期限には一応

右店舗を明け渡し貸主をして自ら使用しうる状態におくことを要する趣旨であるこ

とも明白である。従つて、この点に関し原告になんらの錯誤もない旨の原判示判断

もこれを正当として是認することができる。また、被告ら(被控訴人ら、被上告人

ら)は、貸主において本件店舗部分の明渡をうけてその跡を判示のように喫茶店の

区域として拡張してこれを利用する念願を有しこれを原告に要求したが、原告はこ

れに応じないため自ら使用できなかつた旨を主張し、原審がこの主張を認容した趣

旨(民法一三〇条参照)であることも原判示の全趣旨に照し明らかである。されば、

原判決には、所論第二点、第三点の違法は認められないし、また、所論第一点は、

結局原判示に副わない独自の見解であるか又は原判決が適法になした事実認定を非

難するに帰し採ることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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